quarta-feira, 3 de junho de 2009

parte 7

(かれ)家具(かぐ)()いつけにルッカ(るっか)まで()ていた。(かれ)()ロッパ(ろっぱ)家具専門(かぐせんもん)輸入会社(ゆにゅうかいしゃ)経営(けいえい)していた。そしてもちろん成功(せいこう)(おさ)めていた。べつに自慢(じまん)もしなかったし、(にお)わせもしなかったけれど((かれ)(ぼく)名剌(めいらつ)一枚(いちまい)くれて、(ちい)さな会社をやってるんだと()っただけだった)、(かれ)現世的成功(げんせてきせいこう)手中(しゅちゅう)(おさ)めていることは一目(いちもく)()てとれた。()ている(ふく)や、(はな)(かた)や、表情(ひょうじょう)や、(ただよ)わせている空気(くうき)でちゃんとわかった。成功(せいこう)(かれ)という人間(にんげん)に、とてもしっくりとなじんでいた。気持(きも)ちがいいくらいに。

(かれ)(ぼく)小説(しょうせつ)全部読(ぜんぶよ)んだよいった。「(ぼく)(きみ)とではおそらく(かんが)えかたも(ちが)うし、目指(めざ)しているものも(ちが)うと(おも)う。でも他人(たにん)(たい)して(なに)かを(はなし)りかけられるというのはやはり素晴(すば)らしいことだと(ぼく)はおもう」と(かれ)()った。

まっとうな意見(いけん)だった。「うまく(かた)りかけることができればね」と(ぼく)()った。

(ぼく)らは(はじ)めのうちはイタリア(いたりあ)という(くに)についての(はなし)をしていた。列車(れっしゃ)()(こく)がいい加減(かげん)なこととか、食事(しょくじ)時間(じかん)がかかりすぎることとか。でもどうしてそうなったかは(おぼ)えていないのだが、二本(にほん)めのキャンティ(きゃんてぃ)ワイン(わいん)(はこ)ばれてくる(ころ)には、(かれ)(すで)にその(はなし)(はじ)めていた。そして(ぼく)はときどき相槌(あいづち)()しながらそれに(みみ)(かたむ)けていた。たぶん(かれ)はずっと(まえ)から(だれ)かにその(はなし)をしたかったのだと(おも)う。でも(だれ)にもできなかったのだ。そしてもしそれが中部(ちゅうぶ)イタ(いた)リア(りあ)(ちい)さな(まち)(かん)じの()レストラン(れすとらん)でなかったら、そしてワイン(わいん)芳醇(ほうじゅん)八三年(はちさんねん)コルティブオ(こるてぃぶお)()でなく、暖炉(だんろ)()()えていなかったら、その(はなし)(はな)されずに()わったかもしれない。

でも(かれ)(はな)した。

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